LONELY MOON ―ロンリームーン―
昨日だってまともに寝てないはずだから、本当は眠いはずなのに…眠れない。
眠いはずなのに、目が冴える。早く寝れよ、俺。
多分、原因は、
この微妙に近い距離。
あいつのシャンプーの匂いが香ってくる。
それが鼻をくすぐって、どうも眠りに集中が出来ない。
…畜生、ダッセェな、俺。
ちらりと隣を見てみると、すーすーと小さな寝息を立てていた。
俺のこの状況なんか知らずに。
そう思うとなんだかその幸せそうな寝顔に少しイラついて、
ムニュ
「…んん…ふぎゃっ!!い、痛いよ高田くんっ!」
「うっせェ」
頬を軽くつねってやった。
その反応が結構面白かったので、もう片方の頬もつねって、ぐるぐると回す。
「いひゃい~~!!ひゃなひてよ~!!」
「…プッ、阿呆面だな。」
「ひゃなひへってふぁ~~」
「何言ってんのか分かんねェし」