LONELY MOON ―ロンリームーン―
「高田だ…!」
「な、なんで学校に来てんだよ…!?」
「早く行こっ!目つけられたら終わりだよっ!」
あーあ、うぜぇな。
全部聞こえてるっつーの、馬鹿共。
全員殴ってったらキリがねェ。
滅多に来ない学校は、もうすでに俺の居場所じゃなくなっていた。
まぁ、今始まったことじゃねぇが。
知らねぇ筈の1年にまで怖がられてらァ。噂ってのは恐ェなぁ。
血塗れの俺を見ても、教員は何も言わない。
目を合わせようとしない。
関わろうとしない。
"面倒事に巻き込まないでくれ"
顔にそう書いてある。
ま、教員なんてのはこんなモンだ。
まぁそんなムカつく視線にももう慣れた。
無視して向かうは、保健室。
寝てでもいりゃあ夜にもなってるだろ。
保健室のドアを開けた。
すると、一人パソコンに向かっている白衣の女が一人。
「あら、魁(カイ)!久しぶりじゃない!」
「おう」
こいつは保健の教員の西森美佐子。こいつは他の教員と違うから気に入っている。
顔もいい、スタイルもエロい。
…ただ、ババアくせぇノリが少し、
「やだアンタちょっと!血塗れじゃない!早く着替えないと!
ほら早く脱いで!!」
「別にいいっつーの!」
…かなり傷だ。