LONELY MOON ―ロンリームーン―
半ば強引に上着とシャツを脱がせられた。
ったく、こいつ俺のことほんとに子供なんて思ってんじゃねーだろうな?
「そういえば魁。
あんた2年生になって今日が初めての登校じゃない?」
「…関係無ェだろ」
「まぁどうしようとアンタの勝手だけど、卒業出来なくて浪人~、なんて格好悪いことになっても知らないわよ?」
「俺だって知ったこっち無ェよ、卒業なんざ。
オイ、ちょっと寝かせてもらうぞ」
「…はいはい、ドウゾご自由に。」
…美佐子はこれでも俺のことを心配してんだ。
だが美佐子には悪いが俺にとって学校なんざ心底どうでもいい。
必要な奴だけいそいそ行ってりゃいい。
そういう場所だ。
上半身に少しの肌寒さを感じながらもベッドの方へと向かい、カーテンを開けた。
そこには、
「…すー…すー…」
「……!」
―――小さな、小さな、出会いだった。