LONELY MOON ―ロンリームーン―
she.
その女から、目が離せなかった。
艶やかな長髪の黒髪、長い睫、ぷっくりとした唇、白く透き通った肌
可愛い寝息を立てて、そいつはベッドの中で気持ちよさそうに寝ていた。
―――それが一番最初の、出会いだった。
我をも忘れて、釘付けになっていたのだろう。
女が寝返りを打ったときに、ハッと我に返った。
「お、オイッ!!美佐子!
何だこの女!!」
「女?…あ、そういえば」
美佐子は悠々とカーテンを開けると、思い出したかのように口を窄めた。
「あははっ!ごめん魁!先客だわ」
「先客だァ!?」
「しょーがないじゃない、何アンタ、か弱い女の子ほっぽり出してまでベッドで寝たいの?」
「………」
少しの沈黙を利用して、さり気なくちらりと、寝ている女に目を向ける。
美佐子は黙ってる俺に呆れた様子で、机のパソコンへとまた向かった。
…こんな良い女がこの学校にいたか?
俺の記憶の中には…無い。
美佐子が離れたのをいいことに、俺はその女を凝視した。
2年でも3年でも、こんな良い女はいなかった。
…だとすると1年か?そうなると道理で俺が知らねェ筈だが、…1年でここまでエロい体つきになるか?
美佐子にも負けねェようなエロイ体つきだ。
凝視するうちに、だんだんと顔がその女に近づいていった。
「…う、ん?」
「!!!」