マザーグースの言う通り
私Bクラスの澤田は、隣のAクラスの塚田と3ヶ月前に付き合ったばかり。私は長年塚田のことを想っていたこともあり、付き合えたときは嬉しさでいっぱいでこの世の誰よりも幸せだと、そう思っていた。普段あまり表情を変えない塚田の顔がこのとき少し赤くなるのを見て、同じ思いでいてくれることが本当に嬉しかった。毎日愛しい人と時間を過ごすことができて自分の世界が輝いていくのが本当に幸せだった。しかし、「好き」「可愛い」。塚田から1度もそのようなことを言われたことがなかった。最初の方は一緒に過ごせるだけで満足で気にもとめてなかった。でも一緒に過ごしていくうちそれ以上を求めたくなってしまって、物足りなさを覚えてしまった。デートのときは可愛い服を選び、髪も普段とは異なる手の込んだものにしていた。どうしても塚田からの甘い言葉が欲しかったのだ。しかし、いつまで待ってもその言葉が自分に送られることはなかった。さすがの私でも少し不安にもなるわけで、どうしたものかと頭を抱えていた。あ、こういう時こそ、

平原に相談しよう!!
そうと決まればDクラスである平原のもとに向かうため私は廊下を駆け抜けた。
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