マザーグースの言う通り
平原というのは私と塚田の共通の友人であり、よき相談相手兼一番の理解者だ。

「ねえ平原!あの、ちょっといい?」

「ああ、澤田。今日はどうしたの?」

平原がこちらに気づいて駆け寄ってくる。さすが一番の理解者なだけある。察しが早い。
そして思いの丈を一息で話した。話終わると平原は2秒ほどうーんと唸り、

「嫌われてるなんてことはないと思うけど。
澤田の思ってること塚田に言っちゃったら?」

なるほど、言うなんてこと全然頭になかったなあ…。さすが平原ね。勝手に納得しながら言葉を紡いでいく。

「でもなあ、無理だよそんなこと。だって、あのね、塚田ってばね……」
:
しまった、ついつい会話が弾んでしまった。長かった昼休みも残り5分。予鈴がなった。戻らなきゃ、とふと廊下の方を見る。あ、塚田だ。先程までの話の話題であった塚田が廊下を歩いていた。平原に手を振りながら、今声かけたらびっくりするかな?ちょっとしたいたずら心で後ろからそっと近づいて声をかけることを試みる。
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