猫と君
~3日目~
今日が最後の日だ。 今日の12時の鐘が鳴
るまでに想いを伝えないと‥‥。学校は土曜日
だから昼には終わる。その時に伝えよう。い
つもより長く感じた授業をスルーして休憩の
ときも弥生のところにいって話をした。
放課後、先生に頼まれものをされて少し遅く
なった。12時まであと30分。急がなくちゃ。弥生の家まであと少しーーーいた。
「弥生!待って!!伝えないといけないことがあるんだ!」
「氷河君!?どうしたの?」
「あの、僕」
次の言葉が出ない。ドキドキ心臓がうるさくて何も聞こえない。僕は大きく息を吸った。
「ずっとずっと好きでした!!!」
同時に12時の鐘が町全体に響いた。僕の目
の前は金色の光に包まれた。そしてーーー猫
に戻っていた。これで良かった。気持ちも伝
えられたし、たくさん話せたし。これで良か
ったんだ。これで。あれ?なんでだろう。涙
が出てくる。もっと一緒にいたかった。もっ
と一緒に話したかった。大好きです。弥生‥‥‥




~弥生~
ある日の土曜日。私はさっきまで誰かと話していたように道の先を見つめていた。とても楽しくて嬉しいのになぜか悲しくて寂しい。涙が出ていた。私は何か、大切なものを忘れてしまっている。でも、それはすごく温かくて大きくて太陽みたいな存在だった。道の先を見て私は、
「ありがとう」
そう、呟いた。
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