金髪が、私を紅くしてくる。
*
「有葉」
穏やかな声が、私の鼓膜を揺らした。
ぼーっとしていた頭に、ほんわかとしたあたたかさが広まる。
「桐」
ニコニコと笑う彼は、一見優しい男の子。
……でも。
「有葉、またお菓子ちょうだい」
おこちゃまで、食いしん坊。意地っ張り。
……世にいう、悪ガキ。
ついでにいうと、金髪だから、そこも悪ガキポイントに加点されてる。
「やだ」
「……なんで。有葉の意地悪。有葉ぁ」
グズるような。
「……太るよ」
「それは嫌だけど!」
無駄に女子力が高い。健康にもめちゃめちゃ気をつかってる。