金髪が、私を紅くしてくる。



「僕は運動してるし、すぐやせられるから、平気」



……ずるい。ちょっぴり、嫉妬。



「有葉の作るお菓子、すきなんだけど」



むうっと頬を膨らませて、怒ったふりをしている。可愛い。



「桐」



名前を呼ぶと、しっぽを振るかのように喜んで。



可愛いな、と思って頭をなでようとした。



……けれど。



椅子に座っている私には、机を挟んだ位置に立っている彼の頭に、手が届かず。



……うーん、弟にやる感覚じゃダメかぁ。



「僕、有葉の作るお菓子、すき」



さっきと同じようなセリフを、彼は囁いた。



「……真心と、愛が、つまってる感じがして。すき」
< 4 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop