金髪が、私を紅くしてくる。
「僕は運動してるし、すぐやせられるから、平気」
……ずるい。ちょっぴり、嫉妬。
「有葉の作るお菓子、すきなんだけど」
むうっと頬を膨らませて、怒ったふりをしている。可愛い。
「桐」
名前を呼ぶと、しっぽを振るかのように喜んで。
可愛いな、と思って頭をなでようとした。
……けれど。
椅子に座っている私には、机を挟んだ位置に立っている彼の頭に、手が届かず。
……うーん、弟にやる感覚じゃダメかぁ。
「僕、有葉の作るお菓子、すき」
さっきと同じようなセリフを、彼は囁いた。
「……真心と、愛が、つまってる感じがして。すき」