金髪が、私を紅くしてくる。



「僕は、有葉がすきなんどけど」



「……?あぁ、私の作るお菓子?」



「……それよりも、有葉の方が、すき」



私?それって、私自身……ってこと?



「えっ?え、どういうこと……えっ」



壊れたように戸惑いしか述べない私に、彼はため息をついた。



それから、私の頬に手を添える。



少し長い、綺麗な金色の髪が……彼の目にかかる。



それは、彼が首をかしげて、私の顔を覗き込んだからだ。



彼が首をかしげたのは……。



「なんで、逃げるの?」



「だ、だって」



あんまりにも綺麗な彼と、彼の瞳と、そして心と。



すべてに惹かれて、憧れたからだと思う。
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