金髪が、私を紅くしてくる。



「……違うよ。守賀くんを見ていたのは……えっと」



まっすぐで、綺麗な瞳に見つめられて。



……逸らすことも、逃れることも、上手くできない。



「あ……えっと……」



真っ赤になった私を見て、桐はさらに笑う。



「守賀のことは、またあとで聞くね。



返事も、あとで聞く」



そこで言葉を切ると、桐はニッと笑った。



さっきとは違う、こどもらしい、笑顔で。



「有葉を見てたら、りんご食べたくなってきたなぁ」



わざとらしく、桐は呟く。



「今日は、アップルパイを期待してるね」



……わかったよ、アップルパイは、いくつでも作るから。



これ以上、ドキドキさせないで。



……私の気持ちは、紅いりんごをつかった、あったかいアップルパイに、たくそうと思う。



END.
< 8 / 8 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

コンクリートに蝉の抜け殻

総文字数/10,423

恋愛(その他)16ページ

表紙を見る
クールで無口(大嘘)な白井くんは愛が重い

総文字数/41,451

恋愛(ラブコメ)117ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop