【短編】キミに伝えたい好きがある
アキちゃんに失礼なことしちゃってたこと、女の子だと思い込んでベタベタしちゃったことにもショックで、頭がクラクラした。


「けど、それにつけこんで奈帆に近づいたのは、おまえが悪いぞ、アキ」


拓くんは、アキちゃんを睨んでから、怒った表情のまま、私の方へむきなおる。


「奈帆、遼太郎は奈帆が、本当のことを知ったら落ち込むんじゃないかって気にして言えなかったんだ、それだけはわかってやれよ」


遼ちゃんが?だったら、私のために我慢させてたのかな。


私のせいで、きっと嫌な思いをさせてしまってたんだ。


拓くんは、アキちゃんの腕を引っ張ってグラウンドへ戻っていこうとした。
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