【短編】キミに伝えたい好きがある
本当は、はじめから、なんにもなかったのかも。


彼は私のことなんて、好きじゃなかったのかも。


あんまりこれまで、考えないようにしてたけど、やっぱりそういうことだよね。


ドンっ


下を向きながら歩いていたら、自分の家の前で大きな体格の人にぶつかった。


「奈帆?今まで、何してたんだよ?」


あたりは暗くなっていたから、それが拓くんだとすぐには気づけなかった。


暗くなっていただけじゃなくて視界がぼやけていた。


あれ、私、目が見えない。


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