【短編】キミに伝えたい好きがある
「もういいから、あやまらなくていいよ。
もう、仲直りしょう」


「うん、うん」


優しい声で言われたから、ドキドキして何度も頷いた。


「仲直りしたい、もう喧嘩なんてしたくない」


「俺も、したくない」


彼がようやく私を離してくれたので、見つめあってちょっと笑った。


今更ながら、抱きしめられたことが照れくさい。


「そうだ、考えた?3カ月記念の」


「え、ううん、まだ、でも仲直りしてくれたからもうそれで充分だよ」


「なんだよ、富田は欲が無いな、なにか言えよ、なんでもいいから」


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