わたしのまいにち
極め付きは、給食中だ。
私が通っていた学校では、給食当番が班ごとに週替わりで担当し、お盆に空のお皿を乗せた当番以外の人が並んで少しずつ進み、配膳して貰う感じで量はだいたい均等になるようになっていた。
多くて食べきれない人は手をつける前に半分までなら減らしていい事になっていた。
なのだが…班の人にあげてる人とかもいて、私は少しぽっちゃりした見た目だった為、大食いだと思われがちだった。
しかし、母の遺伝や運動不足なだけであり、そこまで沢山は食べられず、食べても普通の量だ。
マナカや班の人に「これ少しサクヤちゃんのお皿にいれていい?」「これ食べて〜」と言われることが結構あったのだが、食べれる量だったら「いいよ」と応えていた。
しかしある日、あまりお腹が空いてなくて自分の分で精一杯だった時があって、マナカに食べてと言われたものを断った時があった。
すると、あろう事か、マナカはこんなことを言った。
「え。そんな見た目なのに?それだけしか食べられないの?」
心臓が嫌な音をあげた。
心が悲鳴をあげた。
声にならない声が出た。
え…?
私は今までそんなことを思われていたの?
ぽっちゃりの意識はあった。
しかし、当時私はバスケ部に所属していて、普通体型に近かったのだ。
今ではそう思うが、マナカは少し痩せすぎていたのもあり、肥満だと思われるのも無理はなかったと思う。
だが、人としてどうなのだろうか。
マナカは私の気持ちを考えたのだろうか。
ぽっと出た言葉だったのかもしれない、しかし酷くはないか?
私はその言葉に抉られてしまい、それから給食の時間が嫌いになった。
お腹が空いていても、給食を目の前にすると食べたくなくなって、食べても今まで通りに食べられなくなってしまった。
今までは気にならなかった筈の自分の食器から出る音や、咀嚼音が周りを不快にしていないか気になってしまい、食べられなくなってしまった。
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