Endless movie
「あの、実はお願いがありまして。」


その人は鞄から紙を取り出し、
わたしの目の前に差し出す。


「映画同好会、入ってもらえませんか?」

「はあ……。」


この映画同好会ってうちの高校のってこと?
それとも外部の団体か何か?


「あの、大変申し訳ないのですが、
清掃があるので用がお済みでしたら
出て頂けないでしょうか。」


映画館の清掃の人が申し訳なさげに声をかける。


「今出ますので、すみません。」


男性がそう言い、
私たちは退場しロビーに戻った。



私は口を開く。


「ところであなた誰ですか?」


名乗ってくれなきゃ状況がつかめない。


「あ、全く知らないのか。」


男性が目を見開いて驚いた表情を見せる。
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