Endless movie
「おはよう。」
「瑠奈おはようー。」
私は隣の席に座っている、
クラスで一番、というより唯一仲の良い美結に挨拶した。
美結は学級委員をしていて、
よく職員室に出入りしたり他の学年の人と交流がある。
「あのさ、数学科の浅井先生って知ってる?」
美結だったら、奴のことを知っているかもしれない。
「うん知ってるよ。
確か2年の数学担当してたはず。
って浅井先生がどうしたの。」
本当にうちの高校教師だったんだ。
「実は昨日映画の帰りに会ってさ、
映画同好会入らないかって言われて。」
「へえ~それで入ったわけか。」
「いや、まだ返事してない。
だって浅井先生自体、本当にうちの教師なのか怪しかったし。
でも嘘じゃないって分かったから、入ろうかなとは思ってる。」
あの人の言う通り、
帰宅部よりは同好会でもいいから所属していた方がいい気もするし、
何より好きな映画見放題だ。