ことほぎのきみへ
『…嫌なこと…』
…嫌なことだらけだった
毎日毎日誰かの言葉に耳を傾ける日々
自分を抑えつけて生きて
周りを幸せにするために自分を殺した
でも、そうする必要があった
そうしなければいけなかった
そうしなきゃ生きられない事情があった
『……私が奪ってしまったから…
そうしなきゃいけないんです』
『…』
大切な人たちから大切なものを奪ってしまった
違和感を覚え始めていた
違うんじゃないかって
無理して頷く必要も自分の気持ちを偽るのも
尽くすのがあたりまえになっていた
癖になっていた
だけどその時は変えようと変わろうとした
初めて自分の気持ちを優先した
数日前から体調が悪かったお母さんの
面倒を頼まれた
でも、私は友達と遊びたくて
お母さんもその時は元気そうに見えたから
その頼みを断って遊びに行ってしまった
少しの間だけ
すぐに帰ってくるから
この位のわがままなら大丈夫
そう思っていた
だけど…
帰ってきたら、お母さんが倒れていた
近所の人が私の叫び声を聞いて駆け付けた
動転して、ひたすら
倒れているお母さんにしがみつき
泣くだけでなにもできなかった私の代わりに
救急車を呼んでくれた
お母さんは病院に運ばれた
けど
………助からなかった
もう少し発見が早かったら助けられた命だった
私が、頼まれた通り家にいれば
頷いていれば、救えた命だった
自分の気持ちを優先した結果
自分と自分の大切な人たちから
大切な人を奪う結果になった
それからは芽生えた感情を押し殺す日々に逆戻り
奪ってしまったものの重さ
それを軽くするために
奪っておいてのうのうと生きている自分が
そこにいるための理由を作るために
たくさんの人を幸せにする
求めるものを与える
それが例え自分の思いとは真逆でも
そうしていけばいつかきっと…
…嫌なことだらけだった
毎日毎日誰かの言葉に耳を傾ける日々
自分を抑えつけて生きて
周りを幸せにするために自分を殺した
でも、そうする必要があった
そうしなければいけなかった
そうしなきゃ生きられない事情があった
『……私が奪ってしまったから…
そうしなきゃいけないんです』
『…』
大切な人たちから大切なものを奪ってしまった
違和感を覚え始めていた
違うんじゃないかって
無理して頷く必要も自分の気持ちを偽るのも
尽くすのがあたりまえになっていた
癖になっていた
だけどその時は変えようと変わろうとした
初めて自分の気持ちを優先した
数日前から体調が悪かったお母さんの
面倒を頼まれた
でも、私は友達と遊びたくて
お母さんもその時は元気そうに見えたから
その頼みを断って遊びに行ってしまった
少しの間だけ
すぐに帰ってくるから
この位のわがままなら大丈夫
そう思っていた
だけど…
帰ってきたら、お母さんが倒れていた
近所の人が私の叫び声を聞いて駆け付けた
動転して、ひたすら
倒れているお母さんにしがみつき
泣くだけでなにもできなかった私の代わりに
救急車を呼んでくれた
お母さんは病院に運ばれた
けど
………助からなかった
もう少し発見が早かったら助けられた命だった
私が、頼まれた通り家にいれば
頷いていれば、救えた命だった
自分の気持ちを優先した結果
自分と自分の大切な人たちから
大切な人を奪う結果になった
それからは芽生えた感情を押し殺す日々に逆戻り
奪ってしまったものの重さ
それを軽くするために
奪っておいてのうのうと生きている自分が
そこにいるための理由を作るために
たくさんの人を幸せにする
求めるものを与える
それが例え自分の思いとは真逆でも
そうしていけばいつかきっと…