ことほぎのきみへ
泊まりがけということもあって
準備のため、ゆうり達と買いものに行くことになった


下着や洋服、旅行用品、お菓子…

色々お店をまわって必要なものを買った
最後に訪れたのは水着ショップ



「水着…
私は買わなくてもいいかな」


呟くとゆうりと亜季が目を丸くした


「いろちゃん、水着持ってたっけ?」

「ううん、スクール水着しか持ってないよ
泳げないし、普通にショートパンツとかでいいかなって」

「なにを色気のないことを言うの!
いい?いろは、水着で男を悩殺するの!」


ゆうりにがっしりと肩を掴まれ熱弁される

なにやら気合いが入っている
その熱気に思わずたじろぐ


「い、いや……私は別に…
そもそも、まなぶ先輩のお友達の顔も性格もしらないのに水着で悩殺って…」


亜季を介してまなぶ先輩とは会ったことがある


同じ学校の先輩
私たちの1個上の高校3年生


困り眉と八重歯が印象的な
背景に花とか飛んでそうなくらいほわんとした
穏やかな人


まなぶ先輩のお友達ってことは
いつも一緒にいるあの先輩たちかなって

なんとなく想像はしているものの
< 14 / 252 >

この作品をシェア

pagetop