ことほぎのきみへ
……ずっと、考えてくれていたのかな

どうしたら私が笑うかとか、喜ぶかとか


そんな事を思うと

泣きそうな
恥ずかしいような
くすぐったいような

不思議な感覚に落ちる


だけど、何よりも一番に純粋に


……嬉しさが、胸の中に広がって



「………ありがとう……ございます」

「少しは気分転換になった?」

「すごく。猫かわいいです」

「たくさん癒されるといいよ」


言いながら、ひさとさんは
傍にいた猫達を次々私の膝の上にのせていく

膝の上に猫のミルフィーユが出来上がっていく



「お、重いです……」

「「にゃー」」



その言葉に同意するように猫達も鳴く

そんな私達を見て、ひさとさんは
ただただ小さく笑ってる


……ひさとさんのこんな顔を見るのも久しぶりで


こんなに穏やかな空気は本当に久しぶりで


……
……なんだろう


今は、嬉しさが勝って

緊張も恥ずかしさも感じない



「おすそわけです」

「にゃーん」


ミルフィーユの猫達
その内の1匹をひさとさんの頭にのせる


「ありがとう」


ひさとさんは動じずに受け取った




数時間位、猫達と戯れて

その後に美味しいごはんを食べて

帰りはあの海に寄って、少しのんびりして


この日は


久しぶりにひさとさんと普通に話せて


すごく、楽しかった
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