ことほぎのきみへ
……
……
「……落ち着いた?」
「……うん、ごめん
ありがとう」
お店番は別の人に代わってもらった
ようやく泣き止んだゆうりは
腫れた目を擦りながら、小さく謝って力なく笑う
「……悟先輩、ずっと私と話そうとしてくれてて
でも私はずっと逃げちゃってて……」
「悟先輩はそういう人だもんね」
相手の気持ちを気にしながらも
自分の思ったことをちゃんと伝える人だ
起こった出来事に対して
いつでも、どんな時でもまっすぐ向き合う
うやむやには絶体しない
「…………ちゃんとね、話そうと思ったの。今日は
でも、怖くて、会いに行けなくて……」
「…そっか」
準備室に置いてあるクーラーボックスから
飲み物を取り出してゆうりに差し出した
「ありがとう」と受け取ったゆうりから
感じるのは不安と恐怖
『もし、拒絶されたら』
……きっと今のゆうりの心を占めてるのはそれ
「……言うつもりなかったって言ったよね
ゆうり、さっき」
「……なかったよ。なのに……」
「するりと口から出てきたって事は
ゆうりの中では『その時』だったんじゃない?」
「……」
「ゆまちゃん、言ってたでしょ?
『その時』が来たらあっさり口に出来ちゃうものだからって」
「……言ってた」
胸に抱えていた『好き』の気持ちが
そこに収まりきらない位に大きくなって
『伝えたい』って
きっとゆうりは無意識に思ったんだ
だから溢れてこぼれた
……
「……落ち着いた?」
「……うん、ごめん
ありがとう」
お店番は別の人に代わってもらった
ようやく泣き止んだゆうりは
腫れた目を擦りながら、小さく謝って力なく笑う
「……悟先輩、ずっと私と話そうとしてくれてて
でも私はずっと逃げちゃってて……」
「悟先輩はそういう人だもんね」
相手の気持ちを気にしながらも
自分の思ったことをちゃんと伝える人だ
起こった出来事に対して
いつでも、どんな時でもまっすぐ向き合う
うやむやには絶体しない
「…………ちゃんとね、話そうと思ったの。今日は
でも、怖くて、会いに行けなくて……」
「…そっか」
準備室に置いてあるクーラーボックスから
飲み物を取り出してゆうりに差し出した
「ありがとう」と受け取ったゆうりから
感じるのは不安と恐怖
『もし、拒絶されたら』
……きっと今のゆうりの心を占めてるのはそれ
「……言うつもりなかったって言ったよね
ゆうり、さっき」
「……なかったよ。なのに……」
「するりと口から出てきたって事は
ゆうりの中では『その時』だったんじゃない?」
「……」
「ゆまちゃん、言ってたでしょ?
『その時』が来たらあっさり口に出来ちゃうものだからって」
「……言ってた」
胸に抱えていた『好き』の気持ちが
そこに収まりきらない位に大きくなって
『伝えたい』って
きっとゆうりは無意識に思ったんだ
だから溢れてこぼれた