ことほぎのきみへ
……ゆうり、すごく嫌がってる
ああいうことには慣れてるゆうりだけど
どうやら今回の相手はかなりしつこいみたい
冷たくあしらっても
怒りをあらわにしても
全然引く気配はない
「ストップ、いろは」
考えるより先に体が動いて
ゆうりの所へ駆け出そうとした私を
ひさとさんが止めた
「友達なんです。すごく、嫌がってる」
「うん。でも、相手男だから」
慌てる私をなだめるように
冷静な声でひさとさんは言って
「俺が行くから
いろはは先生とか警備の人とか呼んできて」
だけど
ゆうりのもとへ
ひさとさんが向かおうとするよりも早く
その言葉に私が頷くよりも早く
私とひさとさんの横を通り抜けて
早足でゆうりのもとへ向かっていく人がいた
「とりあえずさ、一緒に行こうって」
「っ、やめ……っ」
ゆうりの腕を掴んで
強引に連れていこうとしたその男の手を
ぱしんっと払い除けた
「……触んな。こいつ、俺んだ」
少し怯えていたゆうりを
庇うように胸に引き寄せて
怒気を孕んだ声で
目の前の男に鋭い視線を向けたのは
悟先輩だった
ああいうことには慣れてるゆうりだけど
どうやら今回の相手はかなりしつこいみたい
冷たくあしらっても
怒りをあらわにしても
全然引く気配はない
「ストップ、いろは」
考えるより先に体が動いて
ゆうりの所へ駆け出そうとした私を
ひさとさんが止めた
「友達なんです。すごく、嫌がってる」
「うん。でも、相手男だから」
慌てる私をなだめるように
冷静な声でひさとさんは言って
「俺が行くから
いろはは先生とか警備の人とか呼んできて」
だけど
ゆうりのもとへ
ひさとさんが向かおうとするよりも早く
その言葉に私が頷くよりも早く
私とひさとさんの横を通り抜けて
早足でゆうりのもとへ向かっていく人がいた
「とりあえずさ、一緒に行こうって」
「っ、やめ……っ」
ゆうりの腕を掴んで
強引に連れていこうとしたその男の手を
ぱしんっと払い除けた
「……触んな。こいつ、俺んだ」
少し怯えていたゆうりを
庇うように胸に引き寄せて
怒気を孕んだ声で
目の前の男に鋭い視線を向けたのは
悟先輩だった