ことほぎのきみへ
困り果ててる私を見兼ねて
助け舟を出してくれたのはゆまちゃん

柔らかく笑いながら私を見る


……ゆまちゃんは、私がひさとさんの事で
色々悩んでるのを知ってるから

ゆうりにも亜季にも話してはいたけど
一番、私の葛藤を知ってるのはゆまちゃんだから



「……うん。楽しかった。
……………この人がすごく好きだって改めて思った」

「…そっか」

「うんうん」

「うん。…分かる」


素直に答えれば
返って来るのは優しい眼差しと共感



「…いろはの恋もうまくいって欲しい」

「ありがとう、ゆうり」

「あ~……なんかこういう話してたら
まなぶ君に会いたくなってきたー……」

「そういえば、亜季ちゃんは
まなぶ先輩と文化祭デートどうだったの?」

「そう!聞いて!すっごく幸せだったの~っ」



ゆまちゃんの問いかけに
亜季は伏せてた顔をばっとあげて

本当に幸せそうに笑いながら
まなぶ先輩との文化祭デートの話を
永遠とし続けて

時折、ゆまちゃんと一樹の文化祭での話とか

悟先輩とゆうりのあの後の詳しい話とか


みんなの

甘酸っぱかったり、初々しかったり
微笑ましくなるような
そういう幸せな話をたくさん聞いて



……私も


今すぐひさとさんに会いに行きたくなった
< 210 / 252 >

この作品をシェア

pagetop