ことほぎのきみへ
「いろはちゃんの家には連絡いれたわ
お父さん、出張中なのね
弟さんが出て、「いろは姉をよろしくお願いします」って」
……優
「……家には、弟と妹しかいないので…
………心配なので……帰ります」
そう
ちょうどお父さんは仕事で県外に行っていて
今は家には優と花菜しかいない
ごはんの用意はしてきたけど
幼い弟と妹を家にふたりきりにさせるのは抵抗がある
「大丈夫よ
いろはちゃんのお友達が傍にいてくれるって
一樹君と亜季ちゃんって子
ちょうど、いろはちゃんの家に遊びに来てたらしいわ」
「一樹と、亜季が……?」
「そう。だから
いろはちゃんは何も心配しなくていいから
ゆっくり休みなさい」
「…」
なだめるように頭を撫でられ
額に冷たいタオルをのせられる
声を返そうとしたけど
また、眠気に襲われて
再び意識を眠りの中に落とした
……
……
……
『いろは』
呼ばれた名前
顔をあげれば、そこには懐かしい笑顔
『いろはは頑張り屋ね
でも、たまには休まなきゃだめよ?』
よしよしと頭を撫でられる
『優や花菜だって
いろはが思うほど子供じゃないから大丈夫』
……夢だって分かっても、会えたのが嬉しくて
あの笑顔をまた見れたのが嬉しくて
声を聞けたのが嬉しくて
『なんでもかんでも
ひとりでやろうとしなくていいのよ』
優しい言葉が胸に響いて、涙が溢れる
『いいのよ』
『あなたはあなたの幸せのために生きて』
もっと見ていたい
聞いていたい
なのに、その姿が霞んでく
お父さん、出張中なのね
弟さんが出て、「いろは姉をよろしくお願いします」って」
……優
「……家には、弟と妹しかいないので…
………心配なので……帰ります」
そう
ちょうどお父さんは仕事で県外に行っていて
今は家には優と花菜しかいない
ごはんの用意はしてきたけど
幼い弟と妹を家にふたりきりにさせるのは抵抗がある
「大丈夫よ
いろはちゃんのお友達が傍にいてくれるって
一樹君と亜季ちゃんって子
ちょうど、いろはちゃんの家に遊びに来てたらしいわ」
「一樹と、亜季が……?」
「そう。だから
いろはちゃんは何も心配しなくていいから
ゆっくり休みなさい」
「…」
なだめるように頭を撫でられ
額に冷たいタオルをのせられる
声を返そうとしたけど
また、眠気に襲われて
再び意識を眠りの中に落とした
……
……
……
『いろは』
呼ばれた名前
顔をあげれば、そこには懐かしい笑顔
『いろはは頑張り屋ね
でも、たまには休まなきゃだめよ?』
よしよしと頭を撫でられる
『優や花菜だって
いろはが思うほど子供じゃないから大丈夫』
……夢だって分かっても、会えたのが嬉しくて
あの笑顔をまた見れたのが嬉しくて
声を聞けたのが嬉しくて
『なんでもかんでも
ひとりでやろうとしなくていいのよ』
優しい言葉が胸に響いて、涙が溢れる
『いいのよ』
『あなたはあなたの幸せのために生きて』
もっと見ていたい
聞いていたい
なのに、その姿が霞んでく