ことほぎのきみへ
食べても、すぐ戻してしまったり

不眠が続いて、倒れてしまったり


それでも必死に『生きる』事をして


私の体調が
ある程度まで回復するまで数ヶ月


それから、ようやく

私は退院したひさとさんに会いに行けた




ひさとさんは本当に何も変わらず、私を出迎えた


顔や手に
至るところに
まだ痛々しく残ってる傷や傷痕を見て


また泣いてしまった私に、優しく笑って



『泣かないで』と


『いろはのせいじゃない』と


『いろはが生きてて良かった』と




優しい言葉を繰り返した




その笑顔が、優しい言葉が



痛くて、苦しくて



私はひたすら「ごめんなさい」を繰り返した
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