ことほぎのきみへ
『……本当に、それでいいの?』
ゆまちゃんが真意を問うように
じっと私を見つめる
高校を卒業してからも
ずっと私の事を気にしてくれていたゆまちゃん達
進学、就職
それぞれが慣れない新しい環境で忙しい中
家に遊びに来てくれた皆
ひさとさんから離れることを決めた私
それを伝えれば複雑そうに表情を歪めた
『おかしいよ
だって、いろちゃんは何もしてない
いろちゃんは悪くない』
『亜季』
眉間にシワを寄せ、苛立ったように亜季は言う
そんな亜季をなだめるように
ゆうりが亜季の肩に手を置く
だけど、亜季の高ぶった感情は収まらず
『なんで、いろちゃんはいつも
自分が悪いって、自分のせいだって思うの?』
『ひさとさんはいろちゃんを守りたかっただけ
そんな風に思って欲しくてそうしたわけじゃないんだよ』
怒ったような悲しむような声と表情に
困ってしまった私はいつものように苦笑いを浮かべた
……亜季は相変わらず真っ直ぐで
何度も何度も
こんな風に私を怒って、泣いて
『……お願いだから
いろちゃんはもっと自分に優しくなってよ……』
…………こんな風に、私を抱き締める
耳もとで囁かれた声には涙が滲んでいて
どれだけ伝えても自分の言葉が私に届かない事に
亜季は苛立ちや悲しさや、もどかしさを感じてる
『……ごめんね、亜季』
『もう決めたの』
笑顔ではっきり答えた私に
亜季の涙は勢いを増して
力なく私から離れた亜季を抱き締めて
ゆうりが私に言葉を向ける
『……いろは、好きだって事は伝えないの?』
ゆまちゃんが真意を問うように
じっと私を見つめる
高校を卒業してからも
ずっと私の事を気にしてくれていたゆまちゃん達
進学、就職
それぞれが慣れない新しい環境で忙しい中
家に遊びに来てくれた皆
ひさとさんから離れることを決めた私
それを伝えれば複雑そうに表情を歪めた
『おかしいよ
だって、いろちゃんは何もしてない
いろちゃんは悪くない』
『亜季』
眉間にシワを寄せ、苛立ったように亜季は言う
そんな亜季をなだめるように
ゆうりが亜季の肩に手を置く
だけど、亜季の高ぶった感情は収まらず
『なんで、いろちゃんはいつも
自分が悪いって、自分のせいだって思うの?』
『ひさとさんはいろちゃんを守りたかっただけ
そんな風に思って欲しくてそうしたわけじゃないんだよ』
怒ったような悲しむような声と表情に
困ってしまった私はいつものように苦笑いを浮かべた
……亜季は相変わらず真っ直ぐで
何度も何度も
こんな風に私を怒って、泣いて
『……お願いだから
いろちゃんはもっと自分に優しくなってよ……』
…………こんな風に、私を抱き締める
耳もとで囁かれた声には涙が滲んでいて
どれだけ伝えても自分の言葉が私に届かない事に
亜季は苛立ちや悲しさや、もどかしさを感じてる
『……ごめんね、亜季』
『もう決めたの』
笑顔ではっきり答えた私に
亜季の涙は勢いを増して
力なく私から離れた亜季を抱き締めて
ゆうりが私に言葉を向ける
『……いろは、好きだって事は伝えないの?』