ことほぎのきみへ
「あの後
いろはの事、ずっと考えてた」
「え?」
「きみが俺みたいにならないようにって願ってた」
「ほんの少しでも
心から笑える瞬間があるようにって」
「泣きたい時にちゃんと泣くことができるようにって」
「あの子のこれからが、幸せであるようにって」
……。
「……ひさとさん、何か私に出来ることとか
してほしいことありますか?」
最後に
少しだけでもこの人に
そんな風にずっと私を想ってくれていたこの人に
幸せを祈ってくれたこの人に
ありがとうの代わりに何かを
たくさん貰った優しさにほんの少しでも
そう思って口を開けば
ひさとさんはまた
動かしてた手をぴたりと止めて
「……なら、俺のお願い聞いてくれる?」
「……お願い?」
「うん」
「私が出来ることならなんだってします」
「でも、嫌なら嫌ってちゃんと断って欲しい」
「……お願いって、なんですか?」
スケッチブックを閉じると
ひさとさんは私に視線を定めた
「いろはの人生、俺に頂戴」
「………………え?」
「いろはの全部、俺に頂戴」
「…………それ……どういう…………」
言葉の意味が掴めずに困惑する私に
ひさとさんは真顔で言う
「告白してる」
「……。」
頭が真っ白になった
目を見開いたまま固まって
呆然とひさとさんを見つめる
ひさとさんは真剣な顔のまま言葉を続ける
「いろはが好きだよ
だから、傍にいて欲しい」
「罪滅しをするために傍にいて欲しくない
そんな理由で俺の傍にいて欲しくない」
「いろはに、俺を好きになってもらいたい
好きだから傍にいるって思って欲しい」
いろはの事、ずっと考えてた」
「え?」
「きみが俺みたいにならないようにって願ってた」
「ほんの少しでも
心から笑える瞬間があるようにって」
「泣きたい時にちゃんと泣くことができるようにって」
「あの子のこれからが、幸せであるようにって」
……。
「……ひさとさん、何か私に出来ることとか
してほしいことありますか?」
最後に
少しだけでもこの人に
そんな風にずっと私を想ってくれていたこの人に
幸せを祈ってくれたこの人に
ありがとうの代わりに何かを
たくさん貰った優しさにほんの少しでも
そう思って口を開けば
ひさとさんはまた
動かしてた手をぴたりと止めて
「……なら、俺のお願い聞いてくれる?」
「……お願い?」
「うん」
「私が出来ることならなんだってします」
「でも、嫌なら嫌ってちゃんと断って欲しい」
「……お願いって、なんですか?」
スケッチブックを閉じると
ひさとさんは私に視線を定めた
「いろはの人生、俺に頂戴」
「………………え?」
「いろはの全部、俺に頂戴」
「…………それ……どういう…………」
言葉の意味が掴めずに困惑する私に
ひさとさんは真顔で言う
「告白してる」
「……。」
頭が真っ白になった
目を見開いたまま固まって
呆然とひさとさんを見つめる
ひさとさんは真剣な顔のまま言葉を続ける
「いろはが好きだよ
だから、傍にいて欲しい」
「罪滅しをするために傍にいて欲しくない
そんな理由で俺の傍にいて欲しくない」
「いろはに、俺を好きになってもらいたい
好きだから傍にいるって思って欲しい」