ことほぎのきみへ
……
……
……
「……やっぱり、それは無理?」
ほんの少し、その瞳が不安そうに揺れて
ひさとさんがそんな風に
心許ない表情を見せたのは初めてだった
……
……
……
放心していた私は徐々に我に返って
「………。
…………………ずっと前から……」
視線を落として言葉を溢す
「私は……ひさとさんの事、好き……です」
「……本当はあの日、好きだって
伝えるつもりで……でも、」
声が段々震えて
傷だらけのひさとさんを思い出して、涙がにじむ
「…………でも……っ」
その涙を溢さないように、ぐっと唇を噛んで耐える
「今も、俺が好き?」
…………小さく頷く
「罪悪感とか負い目とか
関係なく傍にいたいって思ってくれてる?」
もう一度、頷く
「なら、傍にいて」
…………そっと、顔をあげる
ひさとさんは変わらず真剣な表情を浮かべてる
「俺さ、前にきみに言ったよね
『幸せになるのに誰かの許可なんて必要ない』って」
「あれ、取り消すよ」
「俺、きみが頷いてくれないと
きみの許可がないと幸せになれない」
「きみが傍にいないと幸せになれない」
………
………………なんで
『私が傍にいたら、ひさとさんを不幸にする』
そう思って離れることを決めたのに
なのに……
『きみが傍にいないと幸せになれない』
「……っ、そんなの……っ」
涙腺が決壊する
「ねぇ、いろは
俺のお願い叶えてくれる?」
答える代わりに、ひさとさんの抱きついた
「…………好き……です……っ」
「……うん」
「…ひさとさんが、大好き、です……」
「うん」
「ずっと……傍に……いたい」
……
……
「……やっぱり、それは無理?」
ほんの少し、その瞳が不安そうに揺れて
ひさとさんがそんな風に
心許ない表情を見せたのは初めてだった
……
……
……
放心していた私は徐々に我に返って
「………。
…………………ずっと前から……」
視線を落として言葉を溢す
「私は……ひさとさんの事、好き……です」
「……本当はあの日、好きだって
伝えるつもりで……でも、」
声が段々震えて
傷だらけのひさとさんを思い出して、涙がにじむ
「…………でも……っ」
その涙を溢さないように、ぐっと唇を噛んで耐える
「今も、俺が好き?」
…………小さく頷く
「罪悪感とか負い目とか
関係なく傍にいたいって思ってくれてる?」
もう一度、頷く
「なら、傍にいて」
…………そっと、顔をあげる
ひさとさんは変わらず真剣な表情を浮かべてる
「俺さ、前にきみに言ったよね
『幸せになるのに誰かの許可なんて必要ない』って」
「あれ、取り消すよ」
「俺、きみが頷いてくれないと
きみの許可がないと幸せになれない」
「きみが傍にいないと幸せになれない」
………
………………なんで
『私が傍にいたら、ひさとさんを不幸にする』
そう思って離れることを決めたのに
なのに……
『きみが傍にいないと幸せになれない』
「……っ、そんなの……っ」
涙腺が決壊する
「ねぇ、いろは
俺のお願い叶えてくれる?」
答える代わりに、ひさとさんの抱きついた
「…………好き……です……っ」
「……うん」
「…ひさとさんが、大好き、です……」
「うん」
「ずっと……傍に……いたい」