ことほぎのきみへ
それに



『……の、せいでっ』


『……のせいじゃないよ』



……それに



『……ひっく、うぇーん……!』


『……かないで…』




………それ、に…



『……どうして…………の?』


……



「おはよ~いろは!」

「!お、おはよ」


後ろからぽんっと肩を叩かれ、はっと我に返る
振り返るとそこには友達のゆうりがいた


思考を打ち消す



「段々あつくなってきたね」

「そうだね。もうすぐ夏か~」

「夏休み、楽しみ」


ふたりで並んで歩く
他愛ない会話を交わしながら



そうこうしている内に学校に着いた



学校は少し苦手
たくさんの人が集まるから


ゆうりのように話しやすい人もいるけど

人が多い分、やっぱり苦手だと思う人も当然いる
そういう人と話すと疲れてしまうから


関わらなければいいのにと思う

だけどもうひとりの自分がそれを拒む



周りの声を聞かないと

喜ばせないとって
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