ことほぎのきみへ
「妹さん達は何色が好きとかあります?」

「ピンク
後はきらきらしたやつとかフリルのついたのが好き」


「んー…なら、こっちの方がいいかな
少なめ目だけどきらきらのビーズとフリル使ってるし、色がピンク
肌触りもいいし、見た目もかわいいですし」


先輩が選んだふたつのぬいぐるみのうち

もう片方より少し値段は高いけど

衣装が凝っていて、質感のいい生地を使っているぬいぐるみを指差した



「じゃこれにする」


つゆき先輩はあっさりと頷いて
棚からそのぬいぐるみと同じものをもうひとつ
手に取った


「ちゃんとふたつ買ってあげるんですね」

「喧嘩するからな」


つゆき先輩は立ち上がると
すぐ近くのアイスコーナーに行き、来い来いと私を手招いた


「?」

「選んでくれた礼に
好きなの選べ」

「え、いやいいですよ。気にしなくて」

「いいから」



大したことはしてない

断りをいれるけどつゆき先輩に
俺の気が済まないからと言われてしまって

結局その厚意に甘えることになった
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