ことほぎのきみへ
「えっと、とりあえず私とゆうりは二人でその辺見てまわります」

「そうか。
じゃ、2時間後に休憩所に集合ってことで。」




まなぶ先輩の言葉に頷いて
皆それぞれ好きなように散らばった






私とゆうりだけその場に取り残される

私はゆうりに顔を向けた


「神社に行きたいの?」

「うん。ありがとう。いろは」

「それはいいけど、普通に答えれば良かったのに」


ものすごく答えずらそう
言いずらそうにしてるから何事かと思った


「……悟先輩に知られたくなくて」

「?何を?」

「ここの神社、縁結びで有名なんだって」

「そうなの?」

「うん。歩さんが教えてくれた」

「悟先輩、そこまで気にしないと思うけど」



そもそも神社自体にあまり興味がなさそうだから
なんの神様を祀ってるのかなんて知らないと思う


知っていたとしても
そこに行くから何?って感じだろう


「わ、わかってる……
でも気になるんだもん
悟先輩、どう思うかなって……」




「……ゆうり、かわいいね」


恋をすると相手の一挙一動が
気になって仕方なくなるとは言うけど


ゆうりのこれは少し考えすぎな気もするけど


それでもそんな風に誰かを思って


女の子の表情を見せるゆうりは
たまらなく可愛く見える
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