ことほぎのきみへ
「次だね」

「うん」


長い参拝列ではあったけど
意外にもさくさくと列は進んで

順番がまわってきた


お賽銭をいれて鈴を鳴らす

先に隣で手を合わせるゆうり
同じように私も手を合わせる


特に願い事がなかった私は
隣で必死に祈ってる女の子の恋が上手くいくようにと神様にお願いした



その後、授与所で有名だと言う縁結びのお守りをゆうりは買って

せっかくだからと、ふたりでおみくじを引いた



「ゆうり、なんて書いてあった?」


「えーと……うそ、大吉!
恋愛『行動せよ。良き結果が得られる。』」


「おおっ、亜季じゃないけど
頑張って話しかけてみたら?」


「……うん。ちょっと頑張ってみる」


おみくじの内容に心を動かされたのか
ゆうりは前向きな姿勢を見せる

それを嬉しく思いながら
私も自分のおみくじに目を通す
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