ことほぎのきみへ
『きみ、本当は最初に会った時から気付いてたでしょ?俺があの時の俺だって』
おずおずと頷く
『……全然変わってなかったから……』
『言ってくれれば良かったのに』
『…覚えてないだろうなって思ったので』
『今のきみと結びつかなかっただけで
忘れてたわけじゃないよ』
「忘れてない」
……その言葉がこんなに嬉しいのはなんでだろう
『……私……ずっと、あなたにお礼が言いたかったんです』
『お礼?』
『あなたのおかげで生きるのが楽になりました
……あなたの言葉に救われました
本当にありがとうございます』
深々と頭をさげる
……ようやく
はっきりと言葉にしてその思いを伝えられた
解消したと思っていたけど
どこかでまだ燻っていた感情があったみたいで
だけど今
それがゆっくり消化されていくのが分かった
『…』
その事にほっと安堵し、表情を緩ませる私に
あの人はどことなく呆けてるように見える
『俺、何もしてないよ』
首を横に振る
『してくれました
あなたのあの言葉と…あったかい手の温度
あの時間は私にとってとても大事なもの
……昔も今も、私の心の拠り所なんです』
『…』
言ってから、気持ち悪かっただろうかと内心焦る
だけどあの人は相変わらず落ち着いていて
嫌悪感や不快感は抱いていないみたいだった
『……救われたんです。本当に』
『……。でも、きみはまだ縛られてるよね』
『……え?』
おずおずと頷く
『……全然変わってなかったから……』
『言ってくれれば良かったのに』
『…覚えてないだろうなって思ったので』
『今のきみと結びつかなかっただけで
忘れてたわけじゃないよ』
「忘れてない」
……その言葉がこんなに嬉しいのはなんでだろう
『……私……ずっと、あなたにお礼が言いたかったんです』
『お礼?』
『あなたのおかげで生きるのが楽になりました
……あなたの言葉に救われました
本当にありがとうございます』
深々と頭をさげる
……ようやく
はっきりと言葉にしてその思いを伝えられた
解消したと思っていたけど
どこかでまだ燻っていた感情があったみたいで
だけど今
それがゆっくり消化されていくのが分かった
『…』
その事にほっと安堵し、表情を緩ませる私に
あの人はどことなく呆けてるように見える
『俺、何もしてないよ』
首を横に振る
『してくれました
あなたのあの言葉と…あったかい手の温度
あの時間は私にとってとても大事なもの
……昔も今も、私の心の拠り所なんです』
『…』
言ってから、気持ち悪かっただろうかと内心焦る
だけどあの人は相変わらず落ち着いていて
嫌悪感や不快感は抱いていないみたいだった
『……救われたんです。本当に』
『……。でも、きみはまだ縛られてるよね』
『……え?』