ことほぎのきみへ
「じゃあ、行ってきます」
「……行ってきます」
「行ってらっしゃい」
優はまだ少しむくれ顔の花菜の手をとって
先に車へ向かったお父さんのところへ向かった
…
…
…
「…」
車のエンジン音が遠ざかっていく
音が完全に聞こえなくなってから
深くため息をついた
……1週間ひとりか
しん、と静まりかえる家の中を玄関先から振り返る
毎年の事だけどこの静けさには慣れない
いつもは優や花菜の賑やかな声や
騒がしい生活音で満たされているから
まだ1日も経ってないのに
もう花菜達が恋しくなる
「……さてと」
気を紛らわすため
わざと後回しにしていた家事に取りかかることにした
…
…
…
「…………終わっちゃった……」
最後に部屋の掃除
掃除機を片付け終え
やることがすべて終わってしまった私は
気が抜けたように呟いて
その場に立ち尽くしてしまう
しばらくの間ひとりだから
その分、家事も減る
ごはんも自分が食べる分だけ作ればいいから
簡単なもので済むし
洗濯も買い物も
急いでやる必要も行く必要もない
だから普段より時間が余る
その時間を学校の課題にあてようかと思ったけど
早目早目に手をつけていたから
もう全部片付いてしまっていた事に気付く
「……行ってきます」
「行ってらっしゃい」
優はまだ少しむくれ顔の花菜の手をとって
先に車へ向かったお父さんのところへ向かった
…
…
…
「…」
車のエンジン音が遠ざかっていく
音が完全に聞こえなくなってから
深くため息をついた
……1週間ひとりか
しん、と静まりかえる家の中を玄関先から振り返る
毎年の事だけどこの静けさには慣れない
いつもは優や花菜の賑やかな声や
騒がしい生活音で満たされているから
まだ1日も経ってないのに
もう花菜達が恋しくなる
「……さてと」
気を紛らわすため
わざと後回しにしていた家事に取りかかることにした
…
…
…
「…………終わっちゃった……」
最後に部屋の掃除
掃除機を片付け終え
やることがすべて終わってしまった私は
気が抜けたように呟いて
その場に立ち尽くしてしまう
しばらくの間ひとりだから
その分、家事も減る
ごはんも自分が食べる分だけ作ればいいから
簡単なもので済むし
洗濯も買い物も
急いでやる必要も行く必要もない
だから普段より時間が余る
その時間を学校の課題にあてようかと思ったけど
早目早目に手をつけていたから
もう全部片付いてしまっていた事に気付く