ことほぎのきみへ
『……なんで……そんな事、言うの?』
……この声は……優だ
悲しそうな、でも少し怒っているような声
『なんで、全部いろは姉が悪いみたいに言うの?』
声が震えてる
……泣いてる
悔しそうに悲しそうに表情を歪めてる
『……本当の事を言ってるだけよ』
そんな優に、冷たく言葉を向けるのは
……あの人だ
鋭い眼差しに棘のある口調
周囲を圧倒させる威圧感
幼い子供相手にも容赦ない冷たい態度
『あなたも思ってるでしょ?
あの子が私達から大切なものを奪ったのよ』
『……違うよ。
いろは姉が奪ったわけじゃない』
『違わない』
『全部あの子のせいよ』
……
……
……
『……ねえ、ぱぱ……
ままはどこいったの……?』
次に響いたのは今よりもっと幼い花菜の声
声のした方に顔を向ければ
ひどく不安そうな
今にも泣き出しそうな顔でお父さんを見上げてる花菜の姿が目に入る
『……ママは遠い所に行ったんだ
もう会えないんだよ』
『どうして?』
『…』
『どうしてあえないの?』
『花菜、いいこにしてるよ
おにいちゃんもおねえちゃんもいいこだよ』
『いいこにしてれば
まま、いなくならないっていってたよ』
『ねえ、ぱぱ、どうして?』
どうして?と繰り返す花菜をお父さんは抱き締めた
花菜を抱き締める手が、体が震えてる
言葉も返せないくらい
涙をこられるので精一杯で
それでも目には涙が滲んでて
……この声は……優だ
悲しそうな、でも少し怒っているような声
『なんで、全部いろは姉が悪いみたいに言うの?』
声が震えてる
……泣いてる
悔しそうに悲しそうに表情を歪めてる
『……本当の事を言ってるだけよ』
そんな優に、冷たく言葉を向けるのは
……あの人だ
鋭い眼差しに棘のある口調
周囲を圧倒させる威圧感
幼い子供相手にも容赦ない冷たい態度
『あなたも思ってるでしょ?
あの子が私達から大切なものを奪ったのよ』
『……違うよ。
いろは姉が奪ったわけじゃない』
『違わない』
『全部あの子のせいよ』
……
……
……
『……ねえ、ぱぱ……
ままはどこいったの……?』
次に響いたのは今よりもっと幼い花菜の声
声のした方に顔を向ければ
ひどく不安そうな
今にも泣き出しそうな顔でお父さんを見上げてる花菜の姿が目に入る
『……ママは遠い所に行ったんだ
もう会えないんだよ』
『どうして?』
『…』
『どうしてあえないの?』
『花菜、いいこにしてるよ
おにいちゃんもおねえちゃんもいいこだよ』
『いいこにしてれば
まま、いなくならないっていってたよ』
『ねえ、ぱぱ、どうして?』
どうして?と繰り返す花菜をお父さんは抱き締めた
花菜を抱き締める手が、体が震えてる
言葉も返せないくらい
涙をこられるので精一杯で
それでも目には涙が滲んでて