私のかみさま
おばあさんに一通り
家の中は案内してもらった

客間も台所も、冷蔵庫の中のものも
留守中好きなように使っていいと言ってくれた


私に気を遣って
おばあさんは色んなものを客間に用意してくれた


お菓子に飲み物
時間潰し用の本や雑誌
アニメやドラマのDVD
眠くなった時用の寝具一式…

それらを眺めながら
すとんと座布団の上に腰をおろす


「……なにしよう」


あの子の様子は
おばあさんが外出前に見に行ったばかり


「本でも読もうかな」


ちゃぶ台の上に無造作に積み重ねられている数冊の本

週刊誌やら漫画本やら小説やら

まとまりのないラインナップを前に苦笑を浮かべる


なんとなく手に取ったのは小説

おばあさんのお気に入りのものだったのか
随分と読み込んだ痕跡が残ってる


色褪せた表紙を捲り、読み始めた

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