私のかみさま
会って話したら、またあの記憶に呑まれるんじゃないかって不安だったけど…

何ともないことにほっとする


「…来てくれてありがとうございます
人の気配があって安心しました」

「…飲み物とか持ってきますか?
何か食べられそうなら軽いもの用意します
熱があるなら、熱冷ましシートとか…」

「いいえ。…傍にいてくれるだけで充分です」


ぼんやりした中に確かな安堵の表情

なんとなくいたたまれなくなって
思い付く限りの事をあげるけど、やんわり拒否される







……沈黙が辛い…



「……あの、…えっと…」


言葉がつかえる

続く言葉が見つからない


前みたいに記憶に引っ張られて混乱したりはしないけど…

やっぱり人との会話は難しくて
何を話したらいいのか分からない

この子が相手だと尚更


でも、それは私だけじゃなかったみたい

段々と意識がはっきりしてきたのか
どこか眠たそうだったあの子の目が、徐々に開いていく

表情も段々と青ざめて……


…………青ざめて?
< 116 / 184 >

この作品をシェア

pagetop