私のかみさま
「私はそれが嫌で口をつぐみました
長い間、それを続けてきたから
あんまり話すのは得意じゃないんです
……相手との距離も上手く掴めない」


少しでも自分の事を話すのは躊躇いがあった

でも、近いからこそ
考える事が似ているからこそ

伝わる何かがあるって思った

それで何かが変わるなら

そのきっかけになるなら

自分の気持ちを言葉にしようって


だって


『一番、強く残った思い』


それが


『助けになりたい』


だったから


嫌悪感や否定よりも、強く残った思いがそれだったから




「…でも、結局それは逃避で
問題を先伸ばしにして、逃げ続けても
いつかはまたぶつかるから」


逃げきることは出来ないから

だから


「怖くても、不安でも
変わりたいと思うなら進むしかないんだって
だから…私は頑張ろうと思ったんです」






「……どうして…そう思えたんですか…?」

「きっかけをくれたひとがいて
一緒にいてくれるから」


ひとりじゃだめだった


ひとりじゃ思考に、現実に押し潰されて立ち向かえなくて

逃げて

逃げられないって解ったら


この世界自体からも逃げようとした


勝手だって、わがままだって解っていても
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