私のかみさま
生きようとした証
「で、ばあさんの孫から花について学んでいると」

「はい。
……すずはすごいです。色んな事を知っていて」

「呼び捨てにできるほど親しくなったのか?」

「これは……お互い同い年なのに「さん」は窮屈だからって…」


あの日から数日が経った


あの子の…すずの風邪もすっかり良くなって
約束通り、私はすずから花について色々教えてもらってる


バイト終わりに
すずの部屋で花や植物について勉強する
それが日課になりつつある


まだお互いぎこちない雰囲気ではあるけど、苦痛じゃない


それに、すずは最初の頃より
柔らかい表情を見せてくれるようになったから


時折、ぽつりぽつりと自分の事を話してくれる


それが嬉しい



「すずは教えるの上手だと思います
聞いてて分かりやすいですし」


実は、花や植物以外の事も教えてもらってる

高校の科目教科に料理……

得意じゃないと話すと
すずは興味があるなら、知りたいと思うなら教えると言ってくれた
< 123 / 184 >

この作品をシェア

pagetop