私のかみさま
私はすずの厚意に甘えさせてもらってる


色んな事を少しずつ、けど着実に知っていく


「………多分…………楽しい……のかなって……」


すずの事を知れたらと思って言い出した事だったけど

ああやって時々、他愛ない会話を交わしながら勉強する時間は嫌いじゃなくて

むしろ好きだと感じてる


「…」


ぽそりと呟いた言葉は
聞こえてはいたんだろうけど

榊は何も言わず、ただ海面を眺めたまま

だけど柔らかく笑ってる


「……そういえば、どうして今日はここに?」


話を切り上げて私は訊ねた


今日も変わらず社を直しに山に向かった


そこに榊の姿はなかったけど
そういう事は珍しくもないから、私は気にせず作業をした


日が暮れる頃に作業を切り上げて

家に帰るその途中、榊らしい人物を見つけて

それで、なんとなく後を追ってしまって


堤防に立つ榊に声をかけたのが数十分位前の事
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