私のかみさま
不審者相手だと幾分気が楽なのか

私は素直に自分の感情を吐き出した


「苦しくて、痛くて、辛くて、暗い
そんな毎日が死ぬまで続くなら
いっそ今死んだ方がいい」


生きていたって私は何も変われない

何もできない


周りを傷付けて

自分を傷付けて


悪循環を繰り返す



もういい


…もう、終わらせて



ぎゅっと左手首を握り締める

服が生傷に擦れて痛い









沈黙が流れる


私とそのひとはお互い見つめ合ったまま
その場に対峙する




やがて




「よし。ならこうしよう」


妙案を思い付いたように手を叩き
にっと唇の両端をつり上げる


「お前には俺の社を直してもらう」

「……は?」


突然何を言い出すのだろう。この人は


社を?

私に修理しろと?

なぜ?


いや、確かにぼろぼろだから
直した方がいいとは思う


だからってなんで私に?


内心行き交うのは疑問と戸惑いの言葉


けど、次の瞬間
彼はさらに私を戸惑わせる言葉を口にした



「その代わり」



「社が直ったその時には
俺が殺してやる」



笑みを浮かべて、そう言った

とても面白そうに



正体不明の不審者との
不思議な日々はここから始まった
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