私のかみさま
「…」



(――――――)


(――――)



声の正体を理解した途端に

それは、その記憶の「誰か」の声は
また、遠ざかってしまう



「……」



……どうしてか、とても苦しくて


悲しい気持ちでそれを見送った



――……




「……」


………………………涼しい ……


額と首もとに
まとわりついていた熱が散っていく

そよそよと風が肌に触れる感覚



…………気持ちいい……



「…」

「起きたか?」



ふっと目を覚ます

そんな私を見下ろす榊が視界に入った



「…………榊?」

「あれほど無茶はするなと言ったのに
懲りないな、お前は」


呆れたように言いながら
手に持っていたうちわを私に向けてあおぐ
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