私のかみさま
「…」



……榊、褒めてくれるかな



……
……
……


………………。




………ちょっと待って…

私、今……何を……



ぴたりと立ち止まって、頭を押さえる



……褒めてくれるかな?


…………榊に、褒めてもらいたいの?



「……」



自分のために始めたことなのに

誰かに褒めてもらいたいなんて

しかも、その相手に榊を思い浮かべるなんて……



無意識にそう思ったことが


……ものすごく恥ずかしい



「……っ」



道端に立ち止まったまま、ひとり赤面する




…………どうしてだろう


ふとした時に
あのひとの姿を思い浮かべてしまうのは


…………分からないけど


その瞬間はとても、あったかい気持ちになる



「……」



私はしばらくそのまま、顔の熱が引くまで

遠くに見えるあの山に

そこにいるであろうあのひとに思いを馳せた
< 70 / 184 >

この作品をシェア

pagetop