私のかみさま
――……



「……榊」

「なんだ?」

「私…怖い顔してます?」

「無表情を怖いと思ったことはないな」

「……そうですか」



榊はそう言うけど

目が合う度に
怯えたような顔をされて、逃げられたら

怖がられてるとしか思えない


……私、そんなに
話しかけにくい雰囲気出してるかな


もちろん自分ではそんなつもりないけど


不器用な感情表現しかできない自分も
自覚してるから、何とも言えない



「ばあさんの孫か?」



榊には詳しいことは話してないのに
なんで分かるんだろう

この人はいつもそうだ

まるで、その場にいたように
見ていたように物事を把握してる



「よくお店で顔を会わせるんですけど
声をかける前に、いなくなってしまうので」



この前

困っていた時に、助けてもらったこと

お礼を言いたいけど
怖がられてるみたいだってことを、榊に話した
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