卒業写真    ~思い出の一枚~
「ところで、桜はどうなの?」

「3人で集まってて、秘密はないからね!」

「せっかく隣の席にしたのに………
ぼぅ~っとしてて
先生が帰るのも分からなかったんだから!」

「大好きな人が隣にいるのに
全然気づかずぼぅ~っと出来るなんて………
アホか大物だよ。」

スゴい言われようだけど………………………

当たってるだけに

言い返せないのが悔しい。

「特別な事は何もなかったよ………。
先生………直ぐに帰るって言ってたから
少しの時間を、私に使う訳にいかないでしょう?
『お友達と話したい』って……
披露宴で言ってたもん。」

私の言葉に

はぁ~っと、盛大なため息をつく二人。

「何をそんなに遠慮してるの!
それじゃあ、高校生の頃と全く変わってないでしょう。
もう、先生と生徒の関係じゃあないんだからね!
好きならどんどんいかないと!」

「そうだよ!
桜が優しくて、私達と違って穏やかなのは良いことだけど
今は、グイグイいかないと!
ホントに欲しいものは、我慢しないで欲しいって
表さないと、手に入らないよ!」

二人の言いたいことは、分かる。

引いてばかりの私は

いつも後で後悔ばかりしてるから。

あの夏も…………………。

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