卒業写真 ～思い出の一枚～

そこからは、学生時代の先生と春人さんのことや

教師になって私達高校生と接すると………

『オジサンなんだなぁ』って淋しくなるって話しをした。

「先生は、若いです。」って伝えても

「若い人にわざわざ『若いです』とは言わないでしょう？
それが、若くない証拠なんですよ。」って言われ

オジサンだから恋をするな。

って言われてるみたいで………

淋しくなっちゃった。

窓の外に支線を向けると

夏の陽射しがキラキラとアスファルトで反射している。

運転してると、ずっと道路を見てないといけないから………

大変だなぁ。

「先生………しんどくないですか？」

思わず話しかけた私に

「亨さんですよ………桜ちゃん。
覚えが悪いようだったら
今度の国語の成績、減点にしますよ。」とクスクス笑って

「貴女は、ホントに優しい人ですね。」と言って

差し出したキャンディを受け取り、口に入れた。

先生………

私は優しくなんてないですよ。

自分のことばかり考えて拗ねて………

運転してる先生のことを考えてなかったの。

憧れの車の

それも、助手席に座らせてもらってるのに…………。