卒業写真    ~思い出の一枚~
「…………………あの…………先生?」

先生の以外な行動に

今だ立ち直れない私が………おずおずと声をかけると。

ハッと気づいたように立ち止まり

「あっ!ごめん!!」と慌てて手を離して

「ちょっと座ろうか?」ってベンチを指した。

「………………はい。」

普段、教壇に立つ先生と

みんなと同じように机を並べて、先生を見つめている私。

それが

昨日の助手席に始まって

今日は遊園地のベンチに、二人並んで座ってる。

先生との距離が近すぎて、怖くさえ感じてしまうよぅ。

息づかいが聞こえそうで

息を止めて、下を向いていると。

「さっきは、手なんか繋いで……………ごめんね。」って。

頷く私に、遠慮がちに声をかける先生。

もしかして…………

嫌がってると思われた??

「はぁ~っ。」

ひとつ呼吸をしてから

「違います。
あの………。
男の人と二人きりで…………こんなに近くにいたことがないから。
緊張しちゃって……………。
いつ息を吸ったら良いか困ってたんです……………。」と正直に話した。

すると

驚いた表情の後、クスッと笑って

「可愛いね。」って。

やっぱり、子供だって思うよね?
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