卒業写真 ～思い出の一枚～

「…………………………………………。
ホントは……………………嫌だった？
ムリ……………させた？？」

自信のない声からは………

さっきまでの馴れたデートをしていた先生とは

別人に感じた。

まさか………

先生がデートに馴れてて

大人に感じて淋しくなったなんて、話せないから。

「……………………………すみません。
楽しい時間だったから…………
これで最後になるって思ったら…………悲しくなってしまって………」

そう答えると

「はぁ～っ。」と、大きなため息の後。

「良かったぁ～」と、心からの言葉をはいた先生。

「桜ちゃんの涙を見て………
今日１日、ムリヤりつれ回したから辛かったのかと心配した。
楽しくて……………
帰るのを嫌がってくれたなら良かった。」と言って笑って…………

「桜ちゃん。
後少しで、僕は先生。
君は生徒にもどるけど…………。
今、この時間は………
亨さんと桜ちゃんなんだから。
先の時間を憂うより、今この時間を楽しまない？
そう言えば、さっき春人と夏苗ちゃんの写真………
撮ってたよね？
他にも、後藤君がご飯食べ過ぎてたところや
玲奈ちゃんがソフトクリームをなめてるところとか。
僕の思い出は、撮ってくれないの？
写真部のエースさん！
僕の思い出も、残してよ。」

そう言うと、私のカメラを取り出して

ニッコリ笑ってくれた。