卒業写真    ~思い出の一枚~
急に包丁を取り上げ、抱き上げられた。

………………………??…………………………………………?…………。

もしかして、怒らせちゃった?

ドキドキしていたら

「可愛いこと言うからね!」と笑い

リビングに連れて行かれた。

「ご飯は??」

「のんびり桜が作るって言ったから
早く取りかかっただけで…………
あのメニューに
10時からお昼ご飯の準備は早すぎるよ。
気にしないで大丈夫だから、ゆっくりしよう。」

そう言うと、私を膝に抱き上げて向い合わせに座らせた。

「桜…………。
桜は今、幸せ?
家庭環境の違いに戸惑い、嫌になってないか心配したけど………
大丈夫??」

顔をしっかり覗き込んで、質問する先生。

真剣な顔にびっくりしたけど………

迷うことなく

「幸せだよ。
ずっと片思いしていた先生と
こうやって一緒にいられることは、もちろんだけど。
今まで経験したことのない生活を知ることも
楽しい毎日だよ。
それに、私には玲奈ちゃんと夏苗ちゃんっていう
素晴らしく力強い先輩もいるから。
お父さんやお母さんも、先生と一緒だと
私が生き生きしてるって喜んでるから大丈夫です。」

そう言ってニッコリ笑うと

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