雨上がりの夜空は
「ぷっ…雪穂っ今の何かボーッとしてると思ったら慌てすぎだしっ!」

悠馬くんが私の慌てふためいた反応を見ておかしそうにケラケラ笑う。

「そっ…そんなに笑わなくても…」

「あ~ごめんごめん。
でも今のマジで面白くって…ふっ…。
まぁ、笑えたけど雪穂がこれ以上機嫌悪くされても困るし行こっか…ふっ」

若干笑いを引きずり気味な悠馬くんは、いつもどおりの爽やかな笑顔で笑いかけて歩き出す。

私も置いていかれないように慌てて歩いてついて行く。


少し歩いてから思い切って悠馬くんに訊ねてみた。

「あのさ、この前悠馬くんと帰って別れた後に見たんだけどさ…悠馬くんが行った真っ直ぐの方ね、コンビニに行くには遠回りなんだけど何でそっちから通ったの?」

「あ、そうなの?遠回りなのは知らなかったなぁ。
でも、俺がいつも雪穂と同じ方向に行かないで真っ直ぐ直進していたのはさ、いつも別れる交差点で雪穂が曲がる右側には公園があるだろ?」

「うん」
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